ナックの映像技術

     
  • あらゆる分野の科学技術が飛躍的な進歩を遂げている現代にあって、企業は研究開発の努力を怠ることはできません。われわれは、1963年に竣工した横浜工場を拠点として研究と製品の開発を行っています。映画撮影用カメラ、レンズ、放送用ハイスピードカメラ、映像計測用ハイスピードカメラや各種解析機器をはじめ、特殊光学計測機器、視線計測システムアイマークレコーダーなどのユニークな映像機器が次々に生み出され、現在も新しい技術への挑戦が続けられています。

  • デジタル・エレクトロニクス

    ナックの映像技術
    ナックは1979年に航空機や車両等の過酷な使用環境でも使用できる搭載型VTRを完成させ、ビデオ時代に参入いたしました。このVTRは 1984年にNASAが打上げたスペースシャトルに搭載されその性能の優秀性が認められました。ナックはこの技術を基に高速度ビデオの開発に着手し、次々に新しいハイスピードビデオ「HSVシリーズ」を製品化しました。
    1994年には半導体メモリを記録媒体とするデジタル記録方式のハイスピードカメラ「MEMRECAM(メモリカム)シリーズ」を製品化しました。MEMRECAMはサブシリーズとして「ciシリーズ」、「fxシリーズ」、「GXシリーズ」そして「HXシリーズ」と発展を続けています。
    2006年には放送業界向けハイスピードカメラとして、NHK殿との共同開発により「Hi-Motion」を製品化しました。各種スポーツ中継やテレビドラマ、CM、映画分野等で使用できる高品質の映像を目指し開発されたHi-Motionは、世界初のフルHDウルトラスローモーションカメラとしてオリンピックを始めとした世界中のスポーツ中継の現場で使用され多くの実績を上げました。2011年にはHi-Motionの後継機種となる「Hi-MotionII」をリリース。撮影速度、感度、記録時間など仕様面での向上は勿論、放送の現場でノーマルカメラとしても使用できる高画質化の実現や、放送現場のワークフローにマッチした機器構成を採用し、あらゆる点で初代Hi-Motionを上回る機能・性能を達成しました。
    時代の最先端技術、すなわち最先端のイメージセンサー・メモリー・CPU・FPGA・ソフトウェア・インターフェース等を採用することで、さらに高性能なハイスピードカメラシステムの開発を続けています。

  • オプト・メカニクス

    光の技術は最新の精密機器の中枢を担う技術です。しかし光学技術を駆使するためには深い知識と長い経験が必要です。われわれは1960年代にわが国で最初にシネマスコープレンズを製作してから、継続して多くの特殊光学系を設計・製作し経験と実績を積んできました。現在でもレンズ研磨機や蒸着装置、測定装置などを設備し、ユーザーが必要とするレンズやプリズムそして特殊光学機器を設計・製作しています。

  • 精密加工・組立技術

    ユーザーの要求に応え、製品に求められる高レベルの性能や品質を実現するため、ナックは社内での精密加工や組立技術の向上に努めています。また、品質の均一性を確保するため、最新の自動化工作機械を導入し測定機器の充実も図っています。

  • 環境・試験設備

    メーカーにとって高い品質・信頼性・安全性は最重要課題です。しかもナックの製品は世界中で使用されています。こうした課題を解決するため横浜工場には恒温・恒湿チャンバー、加速度試験装置、振動試験装置などの環境試験設備をはじめ、表面粗さ測定器、リード測定器、真円度測定器、三次元測定器等の最新・最高の機器を備え、部品段階から製品までを試験・測定をおこなっています。また、1998年にはISO9001を取得し製品の品質管理には万全を期しています。