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                                                                                                                                      						                                       ナックイメージテクノロジーの取り扱う、光学式モーションキャプチャーシステム「MAC3D System」は国内だけでも数百システム、特にバイオメカニクス、スポーツ、リハビリテーション、ロボティクスの分野で活用されています。
 
 ここでは、鹿屋体育大学スポーツパフォーマンス研究センター 前田明教授にご協力いただき研究内容をご紹介します。鹿屋体育大学は国内唯一の国立体育大学で数多くのオリンピック選手やプロスポーツ選手、コーチやトレーナーを輩出しています。
 
 
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                                                      						                                       数多くあるご研究の中で今回は、“投手が早い球を投げるために体幹、下半身の動きがどのように左右するか”*1)を紹介します。
 
 *1)Kinematic and Kinetic Profiles of Trunk and Lower Limbs during BaseballPitching in Collegiate Pitchers
 Masahiro Kageyama 1, Takashi Sugiyama 1, Yohei Takai 2, Hiroaki Kanehisa 2 and Akira Maeda 2
 1 Graduate School of Physical Education, National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, Kagoshima, Japan
 2 National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, Kagoshima, Japan
 ©Journal of Sports Science and Medicine (2014) 13, 742-750
 
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                                                     はじめに 野球において投手の役割は重要で、なかでも投球速度が早い投手はチームに重宝されます。投球動作は高度な運動スキルが必要で、体全体の細かい動き、下肢の力学、手足の動きは不可欠な要素として認識されています。特に投球動作における下肢の動きは、より効率的かつ安全に腕を動かすために安定した基盤を構築するために重要であると考えられています。 野球において投手の役割は重要で、なかでも投球速度が早い投手はチームに重宝されます。投球動作は高度な運動スキルが必要で、体全体の細かい動き、下肢の力学、手足の動きは不可欠な要素として認識されています。特に投球動作における下肢の動きは、より効率的かつ安全に腕を動かすために安定した基盤を構築するために重要であると考えられています。
 
 投球中の下肢の動態メカニズムを床反力にて調べたところ、投球速度が早い投手は投球動作をする上で床反力が大きいことと、歩幅が安定しているということが分かっていました。しかし、下肢関節の動きが投球速度に影響するかは分かっていません。そこで、投球速度が早い投手と投球速度が遅い投手の間で投球間の下肢および動態の運動学および動力学の違いを明確にすることがきれば、投手の投球速度を増加させトレーニングや技術指導時の指標の一つになります。
 
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                                                     研究の概要 30人の男性大学野球部投手を被験者として計測しました。うち25人は右利きで5人は左利きです。各選手はボールを10回投げ、その中での最速データから平均値よりも球速の早い選手を高速群、平均値よりも球速の遅い選手を低速群と分類しました。 30人の男性大学野球部投手を被験者として計測しました。うち25人は右利きで5人は左利きです。各選手はボールを10回投げ、その中での最速データから平均値よりも球速の早い選手を高速群、平均値よりも球速の遅い選手を低速群と分類しました。
 
 股関節、膝の動き、歩幅の長さ、足首、上半身についてMAC3DSystemを用いて撮影し、筋骨格モデル動作解析ソフトnMotion musculousで逆動力学計算をします。投手の動きをキャプチャーするため、39個の反射マーカーを衣服等によるマーカーのズレを最小限できるよう皮膚に直接貼り付けました。
 
 踏み出し足の膝の高さが最大時(MKH)、前方へ押し出す力が最大時(MAP)、踏み出し足接地時(SLP)、肩関節最大外回転時(MER)、ボールリリース時(REL)の5つの例で体幹と下肢の角度を測定しました。
 
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                                                     結果 球速の早い投手は、投球動作中の下肢の運動量が大きいことが分かりました。このような投手は、前方に移動する慣性力を増加させるために、軸足における股関節および膝のトルクの最大値がより大きく、踏み出し足の接地における股関節の内転トルクを増加させることができます。したがって、下肢の動きは球速を上げるために重要な役割を果たすことが分かりました。 球速の早い投手は、投球動作中の下肢の運動量が大きいことが分かりました。このような投手は、前方に移動する慣性力を増加させるために、軸足における股関節および膝のトルクの最大値がより大きく、踏み出し足の接地における股関節の内転トルクを増加させることができます。したがって、下肢の動きは球速を上げるために重要な役割を果たすことが分かりました。
 
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                                                     システム構成 <計測システム概要> <計測システム概要>
 ・使用カメラ Eagle×12台*2)
 ・サンプリングレート 500Hz
 ・シャッタースピード 2,000Hz
 ・床反力計 キスラー
 ・サンプリングレート 2,000Hz
 ・モーションキャプチャソフト Cortex 1.1.4.368
 ・筋骨格モデル動作解析ソフト nMotion musculous 1.51
 
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                                                      						                                       *2)Eagleカメラは現在販売を終了しています。後継機種は、Raptor12HSまたはKestrel2200です。
 
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						          								  関連リンク
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