ARRI ENSO Prime｜ラージフォーマット対応シネレンズ

ARRI ENSO Primeは、軽く小さく、さまざまな撮影現場で活躍できる汎用性をもち、かつ高品質な映像を撮影できるレンズとして開発されました。同時発売の「ENSOビンテージエレメント」をレンズ後玉マグネットに装着することで、クラシカルな表現を付け加えることも可能です。

ENSO Primeは14本とたくさんの焦点距離をラインナップすることで、ハイエンド映像制作のニーズに応えます。また、最望遠の250ｍｍには1.4×と2.0×のエクステンダーが付属し、350mm/T4.0、500mm/T5.8のレンズとして使用可能です。

前玉径は多くの焦点距離で95mmです。レンズマウントはLPLマウントを採用。電子接点はARRI LDS2のほかCooke/i方式のレンズデータに対応しています。また筐体は、レンズモーターを2つ並べて装着できる、ほどよいサイズに設計されています。

ENSO Primeは1:4の撮影倍率により、被写体により接近した撮影が可能です。顔のアップや、筆先を追うシーンなどさまざまな撮影で便利に活躍します。ディオプターやマクロレンズを用いる機会が減ることで、撮影の効率化とクオリティアップが図れます。

ENSO Primeのレンズマウントはマグネットになっており、そこに 『ENSO ビンテージエレメント』を装着することができます。ENSO ビンテージエレメントは、ENSOレンズのクリーンな画質を、まるでビンテージレンズのような描写にチューニングするための追加光学系です。とりわけ画角周辺部やボケの描写に大きく作用します。効果の方向性が異なるPositiveタイプとNegativeタイプがあり、さらに効果の強さが異なる3種類（100/200/350）をそれぞれラインナップしています。

【Positiveタイプ】 （弱）　100P　200P　350P　（強）
【Negativeタイプ】（弱）　100N　200N　350N　（強）

Positiveタイプは背景のボケの輪郭をやわらかく、なめらかにします。被写体を浮き立たせるような効果が得られます。

Negativeタイプは背景のボケの輪郭をくっきりさせる効果が得られます。背景の主張が強まることで、背景と被写体を一体化させるような描写が得られます。

ENSOビンテージエレメントは、マグネットでENSOレンズのマウントに簡単に脱着できます。チップが埋め込まれており、装着されているエレメントの種類をARRI LDS2のプロトコルでカメラに伝達することができます。モニタアウトのインフォメーションでも装着されているエレメントの種類を確認できます。

ENSOビンテージエレメントは、装着するとレンズのフランジバック長を変化させるため、ピントがフォーカスリングの基線通りに合わなくなります。特にNegativeタイプは変化量が大きいため、これを修正する場合は、「ENSOビンテージエレメントキット」に同梱されている、トルクドライバーとシムを用いてフランジバック調整を実施してください。なお、「ENSOビンテージエレメントキット」にはユーザーがオリジナルのエレメントを自作するためのクリエイティブフィルターキットも付属しています。